ショッキングなニュースが入ってまいりました。最新のEF英語能力指数 調査によると、日本は 世界53位 でした。初回調査以来、下落を続け、最低ランクです。
EF英語能力指数 とは?
EF英語能力指数(EF English Proficiency Index, EF EPI)とは、運営会社EFが主催する英語のオンラインテストを受けた非英語圏(英語を母国語としない)人たちを対象にした、英語オンラインテストの結果により導き出された指数です。各国の受験者は最低400人以上と義務付けられています。調査をした翌年に、結果は発表されます。2011年の調査では、受験者は 170万人でしたが、2018年は 230万人が受験した結果に基づき 算出されています。
EF Standard English Test (EF SET) は、ハーバード教育大学院でも使用されています。
↓ “proficiency” という単語についても解説
運営会社 EF (Education First)って?
運営会社 EF Education First (以下 EF) は、1965年、スウェーデンで起業された語学学校です。
現在は スイスのルツェルンに本部があり、語学留学だけでなく文化交流や教育旅行の分野にも進出。世界の約50カ国で 600以上の学校・事務所をかまえ、114カ国で認知されており、世界最大級の規模を誇ります。
参考: Company Fact Sheet 2019, EF
2019年の結果ざっくりまとめ
日本は世界53位。アジア25カ国中でも11位
(出典: 英語能力指数ランキング|EF )
EF英語能力指数は、上から「非常に高い」「高い」「標準的」「低い」「非常に高い」の5つの能力レベルに区分されます。
日本は、上から4番目の「低い」に分類。世界53位という不本意な結果に。なんと、2011年の初回調査以来、ずっと下落し続けています。昨年は、ちなみに 49位でした。
アジアは、25の国と地域が参加。世界5位のシンガポールを筆頭に、フィリピン(世界20位、アジア2位)、マレーシア (世界26位、アジア3位)、韓国 (世界37位、アジア6位) 、中国(世界40位、アジア8位)と並び、日本は アジアの中で、11位でした。
信ぴょう性あるの?
少し過小評価されている国がある
例えば、世界74位のタイは、実際もっと英語力が高いと思います。街の表記は、日本よりも英語が多いです。また彼らのスピーキング能力は高くは、文法は多少おかしくてももっと積極的に話します。文法テストなどはボロボロなんだと思います。その点に関しては、上位の日本より実質評価は高そうです。
インドネシアは、多民族国家で、各島によって言語が異なります。そのためバハサ・インドネシアだけでなく、英語が共通コミュニケーション言語となります。英語が話せる人は多く、気さくな国民性もあり、アメリカや日本などにいるインドネシア移民は、バイリンガル・トライリンガルは確実に多いです。
ただし調査ってそういうもの
筆者はマーケティング10年選手ですが、マーケティング調査というのは、最初から完璧なリサーチというのは難しいです。特にこのような経過を見る調査は、毎年調査を継続することに意義があります。そうすると精度が上がってきます。2019年は、2011年に比べ、だいぶ現実と近い状況になってきたと言えるでしょう。何十年かした後、調査は価値のある資産に変わるのです。
なので、この EF英語能力指数は現在の状況を知る上では、完璧ではないかもしれませんが、有益な資料であるといえます。
世界 1位は オランダ
2019年は、スウェーデンを抜いて、オランダが1位になりました。オランダは、2011年の初回以来、トップ3に君臨し続けています。
(出典: オランダ EF EPI の傾向|EF)
オランダが英語に強い秘訣
そもそもオランダ語が英語と近い
オランダ語は、英語と同じくもともとゲルマン言語をルーツとしています。ラテン言語をルーツとしているフランス語やスペイン語と比較しても、より敷居は低いと言えます。
英語学習が幼少期から
オランダやスイスのように、国土が小さく、多言語が行き交う国は、映画は「音声はオリジナル言語、字幕が自国語」で放送されます。これは非常に有効な英語学習の方法です。
また、オランダでは、義務教育開始の 4〜5歳から 英語教育が開始します。12歳ごろまでに CEFR A1-2 へ到達するという明確な目標が設定されています。また、英文法ではなく、英語を話す、ということからスタートするのです。
実は筆者、幼稚園の頃、英会話スクールに通っていました。また、家では、海外のアニメや映画は 英語音声・日本語字幕でした。幼稚園生なので、もちろん日本語字幕は読めません。繰り返し見させられていたので、映像と音声が一緒にインプットされているのです。私見ですが、のちのち「 発音がネイティブ」と言われる所以はここにあったんじゃないかと思っています。なぜなら幼い時に始めると耳がいいので、そのまま覚えるからです。英語を3年机で勉強した学生より3歳の赤ちゃんの発音のほうがいいのは、そう行った理由です。
この辺りは、今後「英語民間試験」の根本問題を解決するためのヒントが隠れていそうです。
移民が多い
(出典:移民比率の推移(1990-2017年、オランダ・日本|世界経済のネタ帳)
オランダと日本の移民比率は、割合そして伸び率も顕著に異なります。日本は、全体の人口の 1.8% 程度ですが、オランダは 12.1%、つまり、10人集まれば1人は、移民なのです。そうなると、共通言語である英語でないと会話が成り立たないケースが多くなります。
無料 EF試験 (15分)受けてみた
(テスト受験ページ:EF English Standard Test 日本語ページ )
EF SET は 15分の Quick Check と EF SET Certificate(TM) の2種類あります。Certificateは、無料試験なのに、履歴書にかけます。
EF日本の結果の底上げを…!(そして無料!)と思い、まずは15分のクイックテストを受けてみました。
Quick Checkは Reading & Listening それぞれ 7分30秒で、内容は TOEICより全然簡単です。ただ、イギリス英語なので、アメリカ英語に慣れている方は時々聞き取りづらいかもしれません。
結果は・・・
CEFR C2 (Proficient) ということで、一安心。今度時間を見つけて Certificateの方も受験しようと思います。
まとめ
- EF英語能力指数が発表された
- 日本は、世界53在。アジア 11位で、悪化中
- 1位のオランダは、英語を実践的に使う環境が揃ってる
- 無料 EF英語試験を受けてみよう!
考察 3つのポイント: 英語は ビジネスで必要?
調査結果をまとめた報告書では、英語の大切さについて、多くのポイントを掲載しています。
なかでも、非常に良い、と思われた3つを挙げておきます。
- 中間管理職の英語能力は一般的に高い
- 一方で、40歳以上の英語習得度は低い
- グローバルビジネス社会では、「英語が話せる」ことが信頼のはじまりとなる
上記は、本当にその通りだと思います。つまり、40代以上のバリバリ働くビジネスマンの方であれば、「英語が話せれば、他人と差をつけることができる」ということです。そもそも、専門知識・技術、という武器を持っていますので、あとはそれを英語に変換すれば良いこと。その他、必要な英単語は、1日1単語、覚えていけば良いのです。英文法は不要です。
「自分は英語が得意じゃないから・・・」と恥ずかしがらず、他の非英語圏の国々の方のように、積極的に発言していきましょう!