難病患者の条件で、家を購入した話

大変ご無沙汰しております。

まず軽く近況

• ありがたいことに仕事が大変忙しく、新しいミッションも授けていただけた（感謝）
• 体調は、副鼻腔炎は相変わらずしんどいけど、大きく崩すこともない
• ブラジルから帰ってきてから家購入プロジェクトを始動した

という状況で、なかなか更新できてなかったのですが、またポツポツ書いてこうと思います。

難病でも、家は買えるのか（住宅ローンの切ない話）

今日はこんな話をしようと思います

• 住宅ローン：難病患者が直面する問題

• 団体信用生命保険（団信）の壁

• 結局、こうした
• 家を購入した背景

住宅ローン：難病患者が直面する問題

家を購入する上で、一番「あぁ、難病患者って生きにくい」って思ったのが、住宅ローンを検討したタイミングでした。

住宅ローンは、一般的に年収や社会的なバックグラウンドなどに基づくのですが、その中で、今金利のいい住宅ローンでは、団体信用生命保険（略して 団信）というものに入らないといけません。これはざっくり行くと、「ローン債務者が もし お○くなりになってしまった場合、残された家族（主に専業主婦や未成年子供など）が負債を負わず安心して暮らせるように、未返済部分をご破算にする」というものです。（詳細は生命保険会社による）これは、ローンを提供する銀行ではなく、指定の提携生命保険会社の審査によります。

この団信申込書に、既往歴があるのですが、膠原病っていう項目もあるんです。（糖尿病やがんなどもたくさんあります）

若いうちにローン組むって大事なんだなぁって思いました。。。だって４０代の時じゃ返済期間短くなるし、今の時代なんらかの検査引っかかったり持病抱えてる人も多いでしょう？

団体信用生命保険（団信）の壁

今は、団信も追加代金を払えば、いろいろなタイプがあります。生命保険会社によって審査結果は異なりますので、難病患者の方がローンを挑戦する場合は、もう何十社（銀行）を試す必要があります。ポイントは、どこの生命保険会社が指定となっており、その生命保険会社が厳しいかどうか、ということも事前に調べておく方が良いでしょう。ローンや団信に落ちると履歴が残ります。

1. A銀行（ローン）＋ a 生命保険会社（団信）
2. B銀行（ローン）＋ a 生命保険会社（団信）
3. C銀行（ローン）＋ b 生命保険会社（団信）

例えば、パターン１（A銀行＋a団信）の審査に落ちたとします。次にB銀行を試しても裏にある生命保険会社は同じですので、確実に審査は落ちますので、パターン２は スキップしなければなりません。b生命保険会社は、また別の審査基準、団信メニューを持っている可能性があるので、パターン３は 調べてみる価値があります。

団信は、今はいろんなタイプがあります。（生命保険会社によって提供有無の差あり）

団信の種類（一例）

一般 団信

これはざっくりいうと、上記で述べた有事の時のチャラプランです。契約者の死亡または高度障害の状態となり返済ができないと判断された時、残債金額に合わせて保険金額が支払われ、銀行のローンに充当できるというものです。

ただし、これは現在健康な人などという条件もついていて、膠原病を申告するとほぼ通りません。

そのほか、全疾病保障団信、八代疾病保障団信、がん保障団信、など、ローンを組んだ後なんらかの病気になった場合保険金支払われる団信もあります。その場合、金利は上がります。現在既往歴がない方・若い方、パートナーや子供に生活力がない場合は大変安心ですが、既往歴があればほぼこれは厳しいかもしれません。

ワイド団信

一般団信のあと、最近できた団信はこちら。これは、既往歴があり一般団信におっこちた人が最後の砦として審査してもらえる団信です。ワイド団信、これも全然ワイドじゃ無いらしいです、膠原病患者にとって（笑）

こちらは申告だけでなく、診断書をほぼ求められます。ローン担当者（代理店や銀行）が頑張りや交渉も大きく作用するみたいです。

大学病院の主治医に少し相談だけした際、やはり時々診断書の依頼を受けることはあるが、ほとんど通ってないみたい、とおっしゃっていました。

団信がなくても組める住宅ローン「フラット３５ S」

最初にお伝えしておきますが、この住宅ローンをお勧めしているわけではありません。あくまで選択肢の一つとして

この団信の問題、実際直面した時、精神的にも結構落ち込みました。

だって、考えてみてください。普段の生活、ぶっちゃけ健常者の人よりよっぽど心身ともに努力して生きてるのに、なんで差別されなきゃいけないの？！（だって団信がないとローン自体受け付けてもらえないんですよ！？それってどう考えても社会の仕組みが理不尽）

病気だって、もう何十年も戦って、寛解になって、経済力だってしっかりつけた。それでも難病という肩書があれば、右から左で落ちてしまうんです。

そんな中、調べていく中、フラット３５S、団信を任意にしている住宅ローンがありました。

【フラット３５】Ｓ：長期固定金利住宅ローン 【フラット３５】

www.flat35.com

フラット３５は、団信を必須化してない商品がありますので、純粋な経済力・社会信用度で挑戦することができます。そのほかにも、対象のお家が、自分が住む用であること（貸し出し投資物件などはNG）、耐震基準、築年数、事前審査あり？など色々商品によって条件はあります。また団信がない場合は、金利が変わります。が、難病というレッテルを貼られないので、ありがたい商品です。

簡単にポイントを列記しておきます

• 団信がなくても、ローン審査を受けられる
• 団信なしの場合は、金利が変わる
• 対象物件の事前審査が求められることがある
• フラット３５は、固定金利（これは人によって好き嫌いあり）
  私の社会経験からすると、今以上に安い変動金利も怖いなぁとは思います（10年くらいで繰上げ返済を考えるならあり）
  ３５年じっくり返していくつもりならば、正直固定でも良いのではというFPの意見もあります
• 銀行からのサービス（ポイントとか）はない
• フラット３５を取り扱える代理店もいるので不安な人は仲介してもらうのもあり（オンラインのほうが安いかも？）

結局、こうした

私の場合、旦那が外国籍でまだ永住権を持っていないこともボトルネックとなってしまいました。年収も十分あるにも関わらず、勤務年数の短さや永住権アルナシで、足切りをされてしまったのです。

夫婦ペアローンを希望していたのですが、どちらかが何かに引っかかってしまって、仮審査全滅。まぁ国の土地を守るためとはいえ、逆に外国人を配偶者とする日本人、の権利はほぼ守られませんでした（笑）

そして、私自身単体で組もうとしても、仮審査は通りますが、団信で引っかかる。何も悪いことなんてしてない、むしろ誇れるくらい頑張ってきたのに、なんでこんな惨めな思いしないといけないんだろうと思いました。正直、落ち込みました。そして、ワイド団信を申請して落ちてしまったら、変な履歴つけられるし、何より最後の砦までNG出ちゃったら、精神的に本当に辛いなと思い、あえて「申請しない」という道を選びました。

結局、私の持分＋引越諸経費を払うくらいの貯金は用意していたので、一旦スッカラカンになってしまいましたが、一括現金購入しました。（夫の持分も現金）

不動産屋さんにとって、現金一括購入ってそんな珍しいものではない様子でしたが、難病や国籍に難癖つける住宅ローンと団信のケツマクッテやったので、すっきりしました。

フラット３５Sは、最後まで検討しました。もし自己資金が足りない物件だったら、フラット３５Sにしていたと思います。（ひっくり返していえば、自己資金で収まる家にした、ともいえますw 元々の予算と同じ金額ですが）

団信を通過した方もいる

ワイド団信や、診断書を上手に書いてもらって、団信を通ったEGPA患者さんもいました。（病気だけでなく、ほんと色々な力が必要かと思います。。。）なので、このブログにあるからといって、チャレンジを諦めることはありません。ただ、心を強く持って、たとえ団信でいちゃもんつけられても、それは私たちの生き方を否定するものではなく、あくまで彼らもリスクを負えない。社会のルールとして決めているんだ（そして今の時代に沿っているわけではない）ということを知って欲しくて、このブログページを書いておきます🫶

家を購入した背景

というわけで、Facebookでポツリと呟いたのですが、家購入できました！。それに伴い、アメリカから帰ってきて10年住んだ東京都を離れ、今私の両親が住む隣県に引っ越してきました。市区町村は異なるんですけどね。（２月の話）

父が不動産や金融関係に詳しいため最大限のスネカジリをして 交渉や、外国籍の旦那が全くできない（日本のことですからね仕方ない）ところですが、調べ物などたくさん助けてくれました。

2022年、ブラジル🇧🇷 で、リサは誓ったのです、義母に。
「あなたの息子が幸せに暮らせるよう、最善を尽くす」と。

地球の反対側すぎて、本当に仲の良い家族なのに全然会わせてあげられない。実際に自分も地球を半周し、体力面でマジきつい。アメリカやヨーロッパの距離の比じゃない。飛んでも飛んでも到着しない✈️

ブラジルで本当に朗らかに息子の幸せを祈る義母に温かく迎えていただき、彼の姉妹たちにもとても歓迎してもらえ、
私にできることはほとんどないけど
ダーリンくんの幸せ（と安全）を日本で守ることが、ヨメの使命かなぁ、と。

そのためには、ダーリンと私が毎日楽しく、快適に過ごし、美味しいものを食べて、病気や怪我をしないで生活することかなぁと。

簡単なようで簡単じゃないけれど、その誓いを守るべく、はい、奮闘しました。（金銭的にもw）

不動産・ローンの世界を１〜２ヶ月でたくさん知ることができました。いや〜勉強になったw

新しい家からは富士山が見えます。朝は真っ青な富士山、夜はこんな綺麗なシルエットが✨

何歳になっても、新しい知識を得られることは良いことですね。新しい家は、都内の会社は遠いけど、家は静かだし広いし綺麗だし、ほんと快適です。指定難病受給者証の切り替えなども２ヶ月で完了し、やっと落ち着いてきたな〜って感じです🫶

当分、引越しは辞退しますけどね・・・